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WALL SHAREの活動を紹介するオウンドメディア「ミューラリズム」

【クライアントさんに聞いてみた#07】POSCAとストリートカルチャーの融合。日本とオーストラリアを繋いだミューラルプロジェクトの舞台裏


三菱鉛筆株式会社のロングセラー商品「POSCA」。そのブランドプロモーションとして、2025年10月16日〜11月1日に、日本(大阪・此花)とオーストラリア(メルボルン)の2拠点で国際ミューラルプロジェクト「POSCA MuralExchange Program(ポスカ ミューラル エクスチェンジ プログラム)」が実施されました。


なぜ、ミューラルという手法を選んだのか。国境を越えるチームは、どのようにしてこのプロジェクトを形にしていったのか。今回は、プロジェクトの中心人物である三菱鉛筆株式会社 海外営業部 欧米営業推進グループの山下優さんに、企画の背景から現場でのリアルな手応えまで、じっくりと話を聞きました。



立ち話から始まった、国境を越えるプロジェクト

——今回のプロジェクトが立ち上がった背景を教えてください。

山下優さん(以下、山下さん):   きっかけは、2025年4月に交わしたちょっとした「立ち話」でした。私は海外営業部でオーストラリア地域を担当していて、現地ではPOSCAが当社の主力商品として親しまれています。プロのアーティストもPOSCAを使用しており、インパクトが大きく関心を集めやすいストリートカルチャーとの相性は非常に良いと考えていました。


当初はオーストラリア現地主導、あるいは本社共同など、やり方も決まっていない模索段階でしたが、ミューラルエージェンシーのWALL SHAREのメンバーの方と話す機会があって、そこから一気にイメージが具体化していった感じです。「商品を売るだけではなくて、表現する人たちを支えるブランドでありたい」という姿勢を、ちゃんと形で見せたい。そこで、日本とオーストラリア双方でアーティストが行き来する「エクスチェンジ」という形に行き着きました。



山下優さん(三菱鉛筆株式会社 海外営業部 欧米営業推進グループ)。
山下優さん(三菱鉛筆株式会社 海外営業部 欧米営業推進グループ)。

——企画から実施までが、かなりスピーディだった印象です。


山下さん:   そうですね。今回は日本本社としての企画ではなく、あくまでエリア担当者としてオーストラリア国内でのプロモーションや認知拡大を目的として動きましたが、現地主導で意思決定を行うことで、企画立案から数ヶ月で実施決定という、異例の速さでプロジェクトを進行させることができました。


オーストラリア・メルボルンで制作された、アーティスト・HIROTTON(ヒロットン)の作品
オーストラリア・メルボルンで制作された、アーティスト・HIROTTON(ヒロットン)の作品

日本・大阪市此花区で制作された、アーティスト・Adnate(アドネイト)の作品
日本・大阪市此花区で制作された、アーティスト・Adnate(アドネイト)の作品


カルチャーを理解するパートナーと組むということ


——今回、メルボルンを拠点に活動するJuddy Roller(ジュディローラー)、そしてWALL SHAREと組んでみて、いかがでしたか。


山下さん:   正直、私たちはミューラルの現場については素人です。だからこそ、彼らの存在は本当に心強かったですね。特にオーストラリアのパートナーであるJuddy Rollerは、代表のショーンを中心に15年以上現場に関わってきたチームで、現地のカルチャートレンドやアーティストへの深い理解を持っていました。

「広告として描く」のではなく、ストリートアートの文脈をきちんと尊重する姿勢が、今回のプロジェクトとぴったり合っていました。壁の獲得から下地作り、急な天候トラブルへの対応まで、アーティストが安心して描きやすい現場を設計するという、プロ意識には驚かされました。


—— 役割としては、オーストラリア側の壁の確保や材料手配、アーティストのキュレーションをJuddy Rollerが包括的に担当し、日本側の運営と全体連携をWALL SHAREが担う形でしたね。


山下さん:   いい役割分担だったと思います。特に印象的だったのは、SNSでの発信スピードでしたね。制作期間中、Juddy Rollerはアーティストへのインタビューや制作過程を、ほぼリアルタイムで発信してくれました。私たちでは想像もつかないような切り口で、見ている皆さんの興味に響く発信をしてくれたおかげで、現地のファンと共にテンションを高めていくことができました。


WALL SHAREとJuddy Roller(ジュディローラー)のクルー。オーストラリアにて撮影。
WALL SHAREとJuddy Roller(ジュディローラー)のクルー。オーストラリアにて撮影。


急な雨で、制作が中断されたことも。
急な雨で、制作が中断されたことも。

現場で見えた、日本とオーストラリアの「アートとの距離」


——実際にそれぞれの現場を訪れて、印象に残っていることはありますか?


山下さん:   日本とオーストラリアでは、街の人たちの反応が違っていて面白かったです。日本では住宅街に巨大な絵が現れることが「珍しい活動」として注目され、足を止めて「何をしているんですか?」と声をかけてくれる方が多かったです。


一方でオーストラリアは、元々アートが日常に溶け込んでいるからか、自分たちの想いを語ってくれる人が多かったです。「うちのギャラリーでもアートをやってるんだ」「このPOSCA、私も使ってるよ」といった、よりパーソナルな思い入れを語ってくれる親和性の高さを感じました。


——オーストラリアでの実施エリアについては、議論があったそうですね。


山下さん:   そうなんです。「POSCAを販売している店舗の近く」にするか、それとも「表現に親和性のある人が集まるエリア」にするか、最後まで議論を重ねました。最終的には、ギャラリーが多く、人の回遊が多いエリアを選びました。


結果として視認性が高く、多くの人の目に触れることになり、ブランドの認知拡大という点では良かったと感じています。短期的な購買誘導よりも、ブランド体験と認知形成を優先したこの判断が、結果として現地コミュニティからの歓迎にも繋がったのではと思っています。


日本での制作の様子。
日本での制作の様子。






オーストラリアでの制作の様子。
オーストラリアでの制作の様子。





「憧れられるブランド」であり続けるために


——プロジェクトを経て、反応はいかがでしたか。


山下さん:   Instagramでのインプレッションやコメント数が増加し、プラスのイメージを広めることができました。また、今回のようにダイナミックにPOSCAを使用する事例やそれを収めたビジュアル素材は、今後の活動に向けた大きなアセット(資産)にもなりました。


短期的な売上だけでなく、POSCAというブランドが「憧れられる存在」に近づいていくための第一歩になったと感じています。40年以上続いてきたブランドだからこそ、商品開発だけでなく、使い方の提案やアーティストとの信頼関係を磨いていくことも大切だと考えています。


——最後に、今後の展望を教えてください。


山下さん:   デジタル化が進む今だからこそ、逆にリアルな表現に可能性があるのではないかと感じています。今回のプロジェクトで得た映像や写真などのアーカイブを活用し、各地域のニーズに合わせた形で、クリエイティブな活動を支えていきたいですね。


アーティストだけでなく、性別や国籍、世代を問わず、あらゆる人が手に取って表現を楽しめる。そんな「ファンが増え続けるブランド」を目指して、これからもさまざまなプロジェクトを通して、新しい挑戦を続けていきたいですね。




プロジェクト名

POSCA Mural Exchange Program

制作期間と場所:

・2025年10月16日〜24日 日本(大阪)大阪府大阪市此花区朝日2丁目18番8号

・2025年10月25日〜11月1日 オーストラリア(メルボルン)396 Smith St, Collingwood VIC 3066, Australia

主催:POSCA(Mitsubishi Pencil Co., Ltd.)、WALL SHARE株式会社

協力:Juddy Roller(Melbourne)

アーティスト:Adnate(Australia)、HIROTTON(Japan)

映像:宮尾 昇陽(ZONVOX株式会社)


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