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ミューラル(壁画)を様々な視点から紹介するメディア

【クライアントさんに聞いてみた#01】 株式会社入船 浦上幸太郎さん


日本はミューラルに馴染みが薄いため、関わる企業も少ないのが現状です。そのなかで「ミューラルを活用する企業はどんなことを考えているのか?」「なぜミューラルを導入しようと思ったのか?」


この記事ではそんな疑問にお答えするべく、WALL SHAREにミューラル制作のご依頼をいただいたクライアント様にお話を伺いました。


今回お話を伺ったのは”「食の喜び」の創造”を理念とし、創業後100年以上もの間、一貫して「食」という分野に携わる株式会社入船様。

入船が展開されている飲食店【和食ダイニング ごちそう村】の高石店、大久保店にミューラル制作をさせていただいたことをきっかけに、レストラン事業本部執行役員本部長でありながら、広報室の執行役員室長も兼任されている浦上 幸太郎(うらがみ こうたろう)さんにインタビューをさせていただきました。


ごちそう村高石店 Mural by KONIROW

誰かの記憶に残る「ミューラル」で楽しさを創出


おかゆ川(以下、O): まずは「店舗にミューラルを描く」ことになった経緯について教えてください。


浦上さん(以下、U):きっかけは、お店の壁を塗り替えた時のことです。外の壁は老朽化していたこともあり、塗り替えた後に「きれいになった!」っていう話を聞いて、新しい外観を楽しみにしていたんです。けど、実際に見に行ったら、公民館みたいだったんですよね(笑)。お店に来る人が楽しいと感じる雰囲気ではなくて、そもそもお店だと気づいてもらえないんじゃないかと思ったんです。そこで、コロナウイルスの影響が落ち着いたこともあり、来店される方々に「外に出るって楽しい」と感じていただけるように店舗外観をアートで彩るのはどうか、と思いつきました。


ごちそう村高石店での制作風景

O:なぜWALL SHAREに依頼してくださったのでしょうか?


U:それが、たまたまテレビでWALL SHAREさんの活動を見たんですよ。「お、これは面白い!」と思って、会社名をすぐにメモしていました。お店の殺風景さを面白いものに変えたい、という使命感みたいなものを感じていたこともあり、WALL SHAREさんなら面白いものを描いてくれるだろうという期待がありましたね。

テレビで見た時に、浦上さんがすごく惹かれた作品なんだそう。

O:テレビを見て、知ってくださったんですね!ありがとうございます!

ちなみに、馴染みのないミューラルに対して社内で反対の声はなかったのでしょうか?


U:社内のみんなは「何がしたいんだろう?」って思っていたでしょうね。やはり会社なので、お金をかけて何かする時は費用対効果を考えるでしょう?でも僕は、「それはなしで考えてくださいね」って話をしていたんです。


O:集客効果やSNSでの拡散力といった費用対効果を考えないで進めようと?

U:そうです。そもそも外壁はいずれ老朽化して上から塗り替えたりするのにコストがかかるので。ただ塗るだけではなく、アートを導入することに対してデメリットを感じませんでした。僕の感覚では、無機質な壁や汚い壁のまま営業する方がお客さんに対してすごい失礼だと思っているので、お店の壁にアートがあったからって何が失礼なんだろうって考えていました。


O:なるほど!

U:「どうせお金をかけるのだったら、アート作品で楽しくした方がいいじゃん」という考えを、ごり押ししましたね(笑)。たとえミューラルを描いた効果が見えなくても、そこに作品があるだけで十分だと考えています。もし、ミューラルの前で写真を撮る人が少なかったり、誰も評価しなかったとしても、20年後にこのミューラルの前で写真撮ったことのある人がやってきたら、20年後にその効果が感じられるでしょうと。今すぐ結果を求めるようなものじゃないんですよね。例えば「あの店にはアートが描かれている」っていう印象が誰かの記憶に残っていて、それをまた誰かに説明してくれてるかもしれない。直接的な効果や定量的な評価では表せないと思うんですよね。


O: 誰かの記憶に残ったり、お店の特徴を知ってくれるだけでもプラスなんじゃないか。という風に捉えてくださったのですね。



「違和感」が生み出す新たな魅力


O:浦上さんからのご依頼は、最低限のキーワードだけをいただき、作品の構成はアーティストさんに任せてくださいましたよね。アーティストの感性を信頼して、制作を委ねてくださった理由についてとても気になります。


U:そうですね。アートですからね。「絶対これを書いてほしい」と指定する事はアートじゃないと思うんです。 例えば、ごちそう村にちなんで「和食を描いてください」と描くものを決めてしまうと、僕が知っていることや想像できることで表現することになってしまうんです。それより、アーティストさんが持っている感性で表現された予想外の作品が出来た方が面白くないですか?

ごちそう村大久保店での制作風景

O:たしかに。それでこそ、アートですよね。

店舗に描くアーティストさんをご提案させていただいた際に、「ビビッと来ました!」とおっしゃっていましたね。浦上さんの中に、どんな基準があったのでしょうか?


U:それは「違和感」が生まれるかどうかですね。


O:違和感が軸になっていたと?


U:はい。まちに馴染んでしまうアートだと、すっと通りすぎてしまうじゃないですか。「ん?何だろう?」と思うようなものだと、アートが分からない人でも楽しめるだろうと思っていて、それが正解だと思ったんです。


O:たしかに、高石店に描いたkonirowさん、大久保店に描いたmizyroさんはそれぞれ独自のスタイルがあって、唯一無二ですよね。

では実際に完成した作品を見て、どんな印象を抱きましたか?


U:お店が魅力的になったなと思いました。お店のことを好きになる理由は、接客や料理、居心地などがあると思いますが、そこに「アート」がプラスされることで、また一つ新たな魅力が生まれたんじゃないかと思いました。

O:店舗のオリジナル性は作りだすことが難しい部分ですよね。

また、制作〜完成後まで積極的にSNSで情報発信してくださっていました。店舗に描いたミューラルを知ってもらうために、SNSでの発信方法について工夫した部分があれば教えてください。

U:発信の意図としては、無機質な壁がキャンバスに変わり、アートが描かれていく楽しさが伝わるようにしたいと考えていました。


O:なるほど、楽しさを伝えることを大事にしていたんですね。ちなみに、ミューラルが生み出すストーリーのような、ユニークな投稿もされていましたよね?個人的にすごく感動して、目頭が熱くなりました。あの文章は広報担当の方が作成されたんですか?

U:いや、あれは僕が考えたものなんですよ。実は、昔からメニューの裏に毎回誰も気づかないようなメッセージや物語を書いてたんです。「幼い時に、ごちそう村で食事をするのが楽しみだった。今はスタッフとして働いて、笑顔を届けています」みたいなストーリーを書いていました。このアートも、いつか誰かの心に刺さったらいいなと思っています。もしかしたら、こうやって描いたものが、誰かに刺さって、うちで働きたいなと思ってくれる人がいるかもしれない。まるで海にほりこんだメッセージの瓶みたいにね。今のは、すごく上手い例えじゃないですかね(笑)


O:さすがです(笑)お店のオリジナリティを作るために、随所に色んな工夫が凝らされていているんですね。


U:ごちそう村って少しクセがあるでしょ? チェーン店で、お店の名前も「みんなの和食ダイニング ごちそう村」なので。でも、僕がいつも言っているのは「みんな」というのは一人一人のお客様のことを考えてのこと。だからこそ、お店に来るお客様の中で、会話のきっかけが生まれるようなオリジナルメニューを考えたり、ミューラルを取り入れたり、楽しんでもらえるような工夫をしているんです。



無機質な壁にアートで命を吹き込む。

O:浦上さんから見て、店舗などにミューラルを描くメリットはどんな所でしょうか?


U:店舗の印象が、説明不要で伝わる所ですね。ミューラルが描かれたお店を見れば、言葉で説明せずとも、一目で分かりますよね。また、お店の表現したいイメージを、アーティストさんがどう表現してくださるのか、という楽しみも感じられます。僕としては、全店舗に描いて欲しいぐらいですね(笑)

ごちそう村高石店 Mural by MIZYURO

O:嬉しいお言葉です!ミューラルを活用したプロジェクトを検討されている企業の方々へ、一言お願いします。


U:「壁に違和感を感じたらやるべき」です。

O:迷った時の判断基準は、壁にあるということですね。

最後に、WALL SHAREへの期待やメッセージをいただけると嬉しいです!


U:WALL SHAREの仕事は、素晴らしいなと思っています。アーティストさんと、アートに接することがない人との橋渡し的な存在だと思います。アーティストさんの作品を見に行く人って、ファンの方が大半だと思うんですけど、僕みたいに知らなかった人でも見に行くような機会を生み出しているのは、すごいなと思います。


O:そうおっしゃっていただけると、とても励みになります!

浦上さん、ありがとうございました!


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