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ミューラル(壁画)を様々な視点から紹介するメディア

【壁主さんに聞いてみた #03】 JR東日本大宮支社 小河真智子さん


ミューラルを描く上で欠かせないものといえば、壁。

WALL SHAREでは、建物の壁を貸してくださるオーナーさんを、“壁主”と呼んでいます。

「なぜ壁を貸してくださったのか?」

「描かれた作品について、どう思っているのか?」

そんな疑問にお答えするべく、壁主さんへインタビューを行う企画です。


今回お話を伺ったのは、JR東日本大宮支社の地域共創部地域連携ユニット地域活性化グループのリーダーを務める小河 真智子(おがわ まちこ)さん。

JR沿線の空き壁を活用したプロジェクト「MURAL ONE LINE」にて、埼京線エリア(大宮駅、与野本町駅、武蔵浦和駅の3箇所)をご担当いただきました。


「MURAL ONE LINE」とは?

大宮駅から横浜駅までの鉄道沿線の空き壁をミューラルで彩るプロジェクトです。

『壁に絵を描く』ことにこだわりを持ったアーティストが、『子どもから大人まで心穏やかに落ち着けて未来に希望を持てるアート』をテーマに描きました。



MURAl ONE LINEで制作された作品


壁の選び方は? ー 様々な暮らしのシーンに合った場所を考えること


WALL SHARE(以下、W):プロジェクト「MURAL ONE LINE」の話を聞いた時、率直にどう思いましたか?


小河さん(以下、O):お話をいただいた時、このプロジェクトは幅広い世代の方に楽しんいただけるのではないかと感じました。元々、埼京線は他の路線と比べて歴史が浅く、もっと文化的な要素を取り入れたいと思っていました。そこで、子供からご年配の方まで親しみやすい「ミューラル」を取り入れることで、埼京線をご利用のお客さまにアートを届けられると感じ、ぜひとも連携させていただきたいと思いました。

また、複数の駅を横断してミューラルを制作するプロジェクトなので、駅が移動するための場所だけでなく、アートを楽しめる場所にもなり、ご利用のお客さまにミューラルをめぐる「移動の楽しみ」と駅自体には「移動する場所だけではない要素」を感じていただける機会をお届けできると思いました。


武蔵浦和駅での制作風景(Mural by MOTAS.)

W:駅のホームや高架下の壁に描かせていただきましたが、事例が少ない中で描くことを許可してくださった理由について教えてください。


O:安全に制作できる場所であるのは大前提なのですが、様々な暮らしのシーンにミューラルを届けたいという想いがあったからです。場所を選定する際、駅の規模感や場所によってお客さまのご利用するシーンが異なるので、特徴の異なる駅にしようと考えました。そこで、乗り換えでよく利用されるターミナル性のある駅、最寄りに住まれる方のご利用が中心の駅などそれぞれ用途・特徴が異なる駅をご提案させていただきました。そうすることで、日常生活の中でミューラルの魅力を、より多くの人に感じていただけるのではないかと思いました。


W:なるほど。駅をご利用する方の暮らしのシーンに合わせて、それぞれ異なる特徴を持つ駅を考えてくださったのですね!



制作中のトラブルをなくすには? ー どんなお客様がいらしても、いつでも心地よくご案内できる環境づくりをする


W:安全面という話がありましたが、駅で描く際にはどのような危険性があるのでしょうか?


O:大宮駅だけはホーム上の壁に描くことになり、ご利用のお客さまがいない夜間に制作していただきましたが、実は終電後にも回送列車等が行き来しているので、誤って電車にぶつかってしまうと大きな事故になりかねない危険性があります。また、物が一つ落ちてしまうだけでも、大きな事故に繋がってしまうことがあるので、注意を払いながら制作を進めなくてはいけませんでした。なので、大宮駅での制作が一番大変でしたね。


Mural by Keeenue

W:駅が24時間稼働し続けるものだからこそ、より安全面に注意しながら進めてくださっていたんですね。そういった危険性がある中で、駅のホームに描くという提案は難しくなかったのでしょうか?


O:最終的に、ミューラルを描くことに関して反対する人はいませんでした。理由としては、プロジェクトの目的や目指すものが、我々としても共感できるものだったからです。ただ、安全面を考えながら進めるために、壁を管理している箇所、制作場所にある機械を管理している箇所、線路を管理をしている箇所などそれぞれの担当者に了承頂き、全ての担当者にどういう施工をすれば安全なのか相談しながら調整する必要がありました。関係者が多いからこそ、ちょっと大変だったかなと思います(笑)。


W:高架下や駅の入り口付近で制作した際に、気を付けていたことはありますか?


O:駅にはさまざまなお客さまがいらっしゃるので、バリアフリーの面で「歩きにくいような環境になっていないか?」とか「手すりや点字ブロックを支障していないか?」といった部分にはとても気を付けていて、どんなお客さまがいらしても、いつでもしっかりとご案内できるよう心掛けていました。どんなお客さまでも安全に駅をご利用いただけるように環境づくりをさせていただいております。


W:たしかに、さまざまな人が利用する場所だからこそ、ミューラルを制作している時でもみんなが駅を心地よく利用できる環境を保つのは大事ですね。


Mural by MOTAS.


ミューラルをまちに残すためには? ー 作る側だけでなく、共感している側もちゃんと発信をしていく



W:では実際に、まちの人や社内での反応はいかがでしたか?


O:まちの反応でいうと、制作過程から楽しみにしてくださる方が多かったですね。毎日少しずつ描き加わえられて変化していく様子を、立ち止まって見ていたり、お散歩コースに入れていたり、保育園のお散歩で立ち寄ってくださったりして、皆さん完成を楽しみにされている様子でした。実際に働いている駅員にまでミューラルの感想が届いているぐらい、まちの方がミューラルに愛着を持ってくださっているなと感じました。私がいる企画部門の社員からも、「実施して良かったね!」という声をいただいており、嬉しく思っています。私も、与野本町駅に描かれたバラの絵が大好きで、バラ園のあるまちの要素を活かして描いてくださった作品を見て、アーティストさんの地域への愛情を感じます。


Mural by Yohei Takahashi/高橋洋平

W:駅員さんにまで作品の感想が届いている状況は、WALL SHAREとしても非常に嬉しいです!

プロジェクトをやってみて、小河さんとしてはいかがでしたか?


O:暮らしを豊かにするために、「まちに文化をつくること」はすごく大事な要素だと思いました。日常生活の中で、アートってなかなか目にする機会がないからこそ、まち中で触れることができるミューラルはすごく素敵だなと思いました。また、歴史のある絵画だと高尚過ぎて逆に難しいと感じてしまったりすると思うのですが、ミューラルは誰でも感覚的に楽しめるアートなので、実際に子どもからお年寄りの方まで幅広い世代の方に受け入れていただけたのはとても嬉しかったです。だからこそ、海外ではミューラルのあるエリアが観光地になったりして、ミューラルが増えてきてるのかもしれないですね。


Mural by Yohei Takahashi/高橋洋平

W:では、今後ミューラルをまちに残していくために、どんな事が必要だと思いますか?


O:ミューラルは、国内でもまだまだ新しい文化だと思うんです。だからこそ、ミューラルを文化として根付かせていくためには、ちゃんと発信していくことが必要です。それは、アーティストさんだけでなく、“ミューラルカルチャーに共感する人達”の発信はとても大事だと思います。

そうやって、繰り返し発信し続けることで、環境が作り重なって、初めて文化になっていくんじゃないかなと思います。


W:たしかにそうですね。「どうやってミューラルを伝えていくか?」といった部分まで考えていくことは大事です。

では最後に、 WALL SHAREへの期待やコメントいただけると大変うれしいです!


O:WALL SHAREさんの考えの中で私がすごく共感したのは、日本ではまだまだアーティストさんの地位が確立されていないという部分です。WALL SHAREさんは才能のあるアーティストが活躍できる場を作る、とても大切な役割を担われていると感じました。

私個人としては、まちの中でアーティストさんの感性に触れることが出来る環境を作ってみたいです。特に、子どもたちに触れてほしいですね。なかなかアートって、学校の授業以外で日常生活の中で触れる機会があまりないと思うんです。なので、ミューラルがまちにあることで、子どもたちの感性を刺激するような環境が増えたらいいなあと思っています。




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